多汗症|神戸市東灘区のやました皮フ科クリニック(JR住吉駅直結)|アルミニウム製剤イオントフォレーシス ボツリヌス療法

多汗症

多汗症とは手足やわきの汗が通常の人よりずっと多く、そのために生活に支障をきたしている状態です。

「紙に何かを書いていると、紙が湿ってよれよれになってしまう」「足から汗がいっぱい出て、嫌な臭いがする」「わきの汗が多く、冬でも衣服がぬれてしまう」――こうした症状でお困りの患者さんが少なからずいらっしゃると思います。こうした多汗症には、以下のような治療法があります。

多汗症の治療

当院では下記の多汗症治療を行っています。

外用アルミニウム製剤

外用アルミニウム製剤

外用アルミニウムは収斂(しゅうれん)作用(組織を縮める作用)のある薬剤で、これを用いて汗腺の穴を塞ぐことにより汗の量を減らす治療です。
頭部以外のどの場所にも塗ることができるため、手足、わきのいずれにも使用が可能です。

ただし刺激性があるため、傷があるところなどへの使用は控え、またヒリヒリするようなら使用を中止します。

イオントフォレーシス療法

水を入れた専用の機器に弱い電流を流し、10~15分間ほど手や足などを浸します。電流を流すことで、汗孔(かんこう:汗が排出される出口)がつぶれ、その数が少しずつ減っていくために、汗の量が減っていくと考えられています。

アメリカでは一般的な治療法で、効果も比較的高いのですが、速効性には乏しく、当初は週2回程度の治療を行い、発汗量の減少とともに治療間隔を延ばします。また治療を中断すると症状が再燃します。

ボツリヌス療法

ボツリヌス療法

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス毒素(ボツリヌス菌が産生する毒素)から抽出した成分のことです。ボツリヌス毒素はその名の通り、毒性の高いものなのですが、ボツリヌス療法はそこから毒性を除去しているので、安全に使用できます。
皮内または皮下にこのボツリヌス療法を注射して、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックすることによって発汗を抑えます。

わきの多汗症に用いられ、原発性腋窩多汗症では保険適応での治療が可能です。大変よく効く治療なのですが、ボツリヌス療法の効果はずっと持続するわけではなく、効果の持続期間は概ね4~9ヶ月で、夏の発汗量が増加する前の春に治療を行うと効果的です。

内服治療(プロ・バンサイン®)

内服治療(プロ・バンサイン®)

プロ・バンサイン®は自律神経節遮断作用により筋緊張を緩め、多汗を改善します。消化管の収縮運動を抑制するなどの抗コリン作用があるため、口が乾く、便秘になるといった副作用が出現する可能性があります。

内服治療のため、頭部を含めた全身の多汗症に対しての治療が可能です。

外用治療(エクロック®ゲル、
ラピフォート®ワイプ)

原発性腋窩多汗症に対する保険適応の治療薬です。多汗症の原因となる汗はエクリン汗腺から分泌されます。神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害する抗コリン作用により発汗を抑制します。

エクロック®ゲルは薬剤を患部に塗るタイプで、ラピフォート®ワイプは拭くタイプです。

外用治療(アポハイド®ローション)

原発性手掌多汗症に対し効果が期待できます。手のひらの皮膚から吸収され、アセチルコリンの放出を阻害する抗コリン作用により汗の分泌を減少させます。原発性手掌多汗症では保険が適応されます。

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